民芸的プログラミング 〜ソフトウェア開発日記〜

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zoom RSS 普通の人は「上流工程」って言葉、知らないよね

<<   作成日時 : 2009/04/15 07:41   >>

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システム開発なんて、SIer にやらせときゃいいじゃないかと、あたかも簡単なことのように言う先輩がいる。
実際に、SIer にまかせて、今現在、彼は悲惨な目にあっているのだが、まだ、なぜ自分がそのような目にあっているのか理解していない様子。
「悪い SIer に仕事をまかせてしまった」
とか言い出している。
私が見たところ、まあ確かに「良い SIer」ではないようだが、かといって、決して「悪い」というレベルとも思えないのだが。

なぜシステム開発の外注が難しいかというと、それはつまり、「システムの要件」が何かということを発注側が理解していないことが多いからだ。
「こういう機能が欲しい」「こういう機能が必要だ」と、単発の機能を挙げることはできても、システム全体として、満たしていなければいけない機能を全て列挙するのは簡単な作業ではない。
ましてや、SIer に仕事を「まかせられる」までの基本的な設計までするとなると、それは一大作業であるし、一大技術だ。

この一大作業のことを、システム開発業界では「上流工程」と呼んでいる。
要求定義から基本設計あたりまでが含まれる。
上流工程まで SIer にまかせてもいいが、よほど良い SIer でないと、「自社に都合のいい設計」しかしてもらえないのが普通だ。業界の悪い体質で、「いい設計をしてお客さんに喜んでもらおう」と考えるのではなく、「どうせお客さんに良し悪しは分からないのだから、最低限の機能がそろっていれば、あとはいかに囲い込むかだ」と考えてしまう。
SIer 同士を牽制させるためにも、「上流工程」と、実際のシステム開発に相当する「下流工程」は別業者に発注するというのも手なのだが、発注する側が「上流工程とは何か」を理解していないと、上流工程担当の SIer と下流工程担当の SIer にそれぞれぼられることになったりする。

結局のところ、発注する側もそれなりに勉強していないといけないという話なのだが、いくら探しても、発注者の立場から見た「上流工程」入門書のようなものが見つからない。
とりあえず、自分は最近この本

業務システムのための上流工程入門―要件定義から分析・設計まで
日本実業出版社
渡辺 幸三

ユーザレビュー:
記述内容はとても良い ...
オブジェクト指向アプ ...
上流工程のル―ル化促 ...

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を読んで勉強してみたのだが、これもあくまで SIer からの視点で書かれた本だ。
少なくともプログラミング経験のある人が読まなければ分からないレベルの難しさだ。

複数の人間が携わるレベルのシステム開発を経験した人が読めば、ものすごくいい本なので、そういった駆け出しプログラマ的な立場の人にはものすごくお薦めの内容だ。
イラスト類もこの手の本にしては珍しく、よくこなれている。
私自身は読んでみてものすごく満足した。
特に最後の付録、お客さんとの打ち合わせ場面を、シナリオさながらにセリフ付、手書き風イラスト付で再現しているところは、リアルな雰囲気が伝わってきて勉強になる。読みながら、「うーん、あるある」とか言ってうなずきたくなることもしばしばあった。

良い本だけに、かえすがえすも残念なのは、視点が完全に SIer であること。
良いシステムを発注するための、発注者側向けの本を、私はまた別に探さなくてはいけないようだ。

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