「お金は銀行に預けるな」という書名はいかがなものか

「お金は銀行に預けるな」という新書を読んで、意外と良書なので驚かされた。最初、この書名をみて、きっと金融危機を煽るような内容の本なのだろうなと勝手に思い込んでいた。急な出張で、移動時間は長いし、先日気に入ったばかりの新幹線N700系を選ぶだけの時間的余裕もなかった。新幹線の中では読書でもするしかないということで、近くの書店さんで目についたこの本をとりあえず買ってみた。そこそこ売れているらしいし。

で、読み始めてみると、中身はまさに「金融リテラシー入門」。一般の人が、身の回りの金融について学び、いかに個人資産を形成していけばいいのかといったことについて、過不足なくまとまった良書であった。
ローンを組んで家を買うという行為を金融の面から見ると、どういう問題があるのか。お金を普通預金に入れっぱなしにしておくというのは、個人にとって、また社会全体にとって、どのような損失になるのかといったことが、丁寧に解説されている。
大学で学ぶような金融論でもなく、一般にありがちな「お金儲け本」でもなく、本当にまじめに個人資産について考察を加え、なおかつ読みやすくまとめあげられている。
結局のところ、生命保険や住宅ローンにお金をつぎ込むのではなく、投資信託を活用せよという話になるのだが、その投資信託にしても、証券会社の言いなりに買うのではなく、自分で判断して売買しなくてはならない、そして、その努力は怠ってはいけないというところまで、丁寧に解説されている。もうちょっと自己責任の原則について言及してあれば言うことなしだった。

この書籍で一番惜しいのは、やはり書名。このタイトルのおかげで、この書籍を本当に読んでほしい人以外の人が、この本を読んでしまい、肝心の対象者、一般の若手サラリーマンなどが逆にこの本に手を伸ばさないのではないかと思う。
もう一つ、間の悪いことに、サブプライムローン問題のおかげで、この書籍に書いてある内容のもっとも肝心な部分、投資信託の運用実績が3月20日現在、かなり悪化してしまっている。今日この瞬間をとってみれば、この書籍の内容は現実離れしているように捉えられかねない。
まあ、長いスパンで物を見て、社会人にとって最低限必要な金融リテラシーを身に着けるための最初の一歩として、この書籍は色々な人に薦めたい。

最後に一つ私の立場から付言させてもらう。
「この本の内容を信じるかどうかは、自己責任ですよ」

"「お金は銀行に預けるな」という書名はいかがなものか" へのコメントを書く

お名前
メールアドレス
ホームページアドレス
コメント