今は人手不足? 人員余剰?

途中で嫌になったのだけれども、がまんして、この本、最後まで読んだ。

「日本で最も人材を育成する会社」のテキスト (光文社新書)
光文社
2010-01-16
酒井穣

ユーザレビュー:
タイトルに偽りあり。 ...
現場のリアリティ感が ...
企業における教育の在 ...

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いいことを書いてあるんだけれども。

内容はタイトルのとおり。タイトルに嘘偽りは無い。ストレートなタイトルであり、ストレートな内容。

置かれている立場の違いというのだろうか。
これは、人事関係者が読むとものすごくコンパクトで役に立つ一冊なのだろう。
が、例えば今の自分のように、あくまで先輩として後輩を育てる立場だと、ちょっと内容が大がかりすぎというか、抽象的すぎというか。あまりに大所高所から書かれているので現実味が足りない。

それと、切り口が新書向けではない。単行本形式の書き方になっている。これが新書で手に入るのだから、安くて得したとか、かばんに入れやすくて楽したとか考えられる人にはお得な一冊とも言えるが。
新書というのは、どちらかというと読み捨てに便利なような書き方がされているべきなのだ。たくさんの参考資料を提示するよりも、一つの具体例があったほうが分かりやすい。抽象的なグラフも大事だが、一つのストーリーのほうが新書には必要だ。と私は思うのだが、どうだろうか?
要するに本書は「読み物」ではなく、「教科書」になってしまっているのだ。
誰か、この本をタイトルのとおり「テキスト」として、講義に使ったら面白いのではないかと思う。

で、この本を読んでいて気になったのは、ややご都合主義な記述。
一方では、人材は海外にアウトソースしていくことができるようなことを書いていて、また一方では少子高齢化で人材が不足するようなことを書いていたりする。
次に続く説明のための前フリとして書かれていることなので、本質的な部分ではないのだが、一冊の本の中で、こういった一見矛盾しているようなことが書かれているのはいただけない。
調子のいい「コンサル営業」を見せ付けられているようで、実のところ、読んでいて少々不快だった。

本当に、読み方を間違えなければ、いいことを書いてあるのだけれども。

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この記事へのコメント

酒井穣
2010年02月10日 08:10
こんにちは。ご紹介いただいた本書の著者です。まずは本書のお買い上げ、ありがとうございました。また、厳しいながらも鋭いご指摘を頂戴し、ありがとうございます。

人手不足(イノベーションを通して高い付加価値を生み出す仕事)と余剰人員(付加価値が少なくアウトソースが容易な仕事)は、仕事が投資なのかコストなのかという職務内容にフォーカスすると矛盾がないと思うのですが、この部分への説明は不十分だったかもしれません。

コスト的な職務に就労している人材を、足りていない投資的な仕事にシフトさせる、そのためのドライバーが人材育成である、というロジックです。
kazuyoshikakihara
2010年02月10日 23:25
これはこれは酒井様、ご丁寧にありがとうございます。って、私と同じくらいの年代の方なのですよね。
本を読ませていただいたうえに、気になっていた部分の解説までくださってどうもありがとうございます。

今まで色々な会社の人材育成の仕方を見てきましたけれど、「人材育成をする立場の人」の育成がどこも足りていないと思うのですよ。
そういった意味でも、酒井様のご活躍を祈念するとともに、今度はもうちょっと読み物っぽい作品をぜひお願いしたいと思います。

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