全国学力テストの算数の問題を見た

全国学力テストが選挙で争点の一つになっていると聞いた。
そういえば、どんな問題が出ているのかよく見たことがなかったなということで、国立教育政策研究所の WEB サイトで公開されている、今回の全国学力テストの問題を見てみた。
http://www.nier.go.jp/09chousa/09mondai.htm

これで、本当に算数の学力を測れるのか、色々と考えるところがあったので、簡単に列挙しておく。

1.問題数が少なすぎ。
たまたま生徒の知っている問題が出た、あるいは知らない問題が出た。
たまたま計算を間違えた、あるいは問題文を読み間違えた。
こういった、本来の算数の学力とは無縁な部分の影響を排除して、純粋な「算数の学力」を測定するには、問題数が少なすぎる。
もっとも、解答者数は多いので、個人個人の学力を測定するのではなく、地域全体の一般的な学力を測定するというのなら、このままでもいいかも知れない。

2.応用問題の問題文にいささかの疑問。
例えば数直線を読ませる問題など、目盛りが対数目盛りである可能性を考えるような「おませ」な子供がいたりしたらどうなるだろうか?
もっともそのようなおませな子供は、「こういう問題が出たときはこう答えると大人は喜ぶんだ」ということを知っているだろうから、正解を出せるのかも知れないが。
また、偶数を選ばせる問題にしても、「偶数の概念が分かっているか」と「0 が特別扱いされないということを分かっているか」の2つの論点が含まれてしまっているため、この問題の誤答率だけを見ても、有意な情報を得ることは困難だ。
問題文が言葉足らずだったり、余計だったりして、出題者の意図が的確に子供に伝わっているのか、そこから考える必要がある。

3.千円札の長い辺の長さを答えさせる意味は?
これも算数の学力の問題だろうか?
ヒントとして、千円札の短い辺の長さでも書いておくべきであったと思うが。

他にも、長方形を対角線で切ったときにできる図形の名前を答えさせる問題(選択式)などもあったが、正方形は長方形の特殊な形であると考えると、答えとして、「二等辺三角形」も場合によってはありうる。こういったことに気付くのはむしろ算数のセンスのある子供だろうから...そういった子供のほうが惑うような出題はどうだろうか?


見れば見るほど、算数のセンスとは関係のないところに落とし穴があって、しかも出題数が少ないので、この結果をどう分析したものか、私にはよく分からない。
出題者の意図と違うものを汲み取ってしまう子供の数は相当多そうだ。
ただ、解答者数が多いので、しっかりとした統計処理をすれば何かが得られるのかも知れないが。

まったく出題されていない分野も多いし、このテストの結果だけで、日教組が云々というのは、やっぱり無理がある。また、都道府県同士の成績を比べてヒステリックになるのもおかしい。

全国学力テストは、このままの形態で運用を継続するのには、問題があると見た。

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この記事へのコメント

2009年08月29日 18:29
■大阪、小学国語B“健闘”…学テ公表・・・橋下知事激怒!!-応用力のテストは問題か?
http://yutakarlson.blogspot.com/2009/08/blog-post_27.html
こんにちは。学力テストの結果が公表されました。私も算数の応用問題にはかなり疑問を感じました。橋下知事は市町村の長は、やめるべきだなどと激怒しています。小学校や、中学の学力で特に基礎的なものは、徹底に仕込まなければその後の積み上げに支障をきたします。いまや、特に義務教育においては、勉強ができないということは、生徒たちだけの責任ではなく、教える側の問題でもあると思います。ここに書いていると長くなってしまいます。詳細はは、是非私のブログをご覧になってください。
kazuyoshikakihara
2009年08月30日 22:03
yutakarlson さんこんにちわ。
ブログの記事、拝読しました。

うーん、私とは見解が異なっていらっしゃるようですね。
私は応用問題を出すこと自体には反対していないですよ。今回の出題には問題があると思っているだけで。

若いうちに基礎をみっちりという点については、同意します。

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