超常現象と心理学と

地震で、部屋の片隅に積んであった本が崩れてきた。
おかげで、何年も前に買っておきながら、読んでいなかった本に気付いた。
ブルーバックスだし、物理学系の本かなと思って買ったのだけど、実はこれ、認知心理学の本だったので、なかなか読み進めずに放り出してあったのだった。

超常現象をなぜ信じるのか―思い込みを生む「体験」のあやうさ (ブルーバックス)
講談社
菊池 聡

ユーザレビュー:
文系、理系の枠を超え ...
認知心理学の凄さと限 ...
超常現象を例に論理学 ...

Amazonアソシエイト by ウェブリブログ


正直、読んでいて気持ち悪くなった。
ここまで、人間の体験とは脆いものなのかと。

人間の視覚が実在しないものを捉えてしまう原理の話、人間の記憶が簡単に自分の都合の良いようにすりかわってしまう話、統計に裏打ちされない直感の危うさの話。
こうやって本で指摘されないと、何気なく生きているだけでは認識できなかった、人間の心理のトリックが色々と紹介されている。

視覚に関しては、いわゆる目の錯覚の話が紹介されている。
心理学的な解説付きで。
あれは UFO に違いないと思って見ると、飛行機が本当に UFO に見えてしまう実例。
人間の目に映った時点ですでにそれはアダムスキー型の UFO として認識されてしまう。間違いなく実際に飛んでいるのは飛行機だというのに。あるはずの無い丸い窓まで見えてしまっているのだ。

記憶に関しては、ちょっとした思い込みが原因で、記憶そのもがゆがめられてしまうことがある。
元々そこに無かったテープレコーダーが、他者の証言(もちろん実験用の偽の証言)のおかげで、記憶の中では見えたことになってしまい、やがて、その人の主観の中では「間違いなくそこにあった」というように覚えこんでしまう。
そして、いつの間にか、そのテープレコーダーの細かなデザインまでもが、はっきりと記憶(?)されてしまう。

こういった話が続くものだから、「おいおい、自分の今までの思い出って、もしかして、実はほとんど勘違いで埋め尽くされてしまっているんじゃないの?」という恐怖すら覚えてしまう。
だけれども、こういった恐怖を克服しないことには、「真実を見る目」は養われないものだ。

本書の中で、時おり出てくるクイズ、そのほとんどがひっかけ問題で、自分も何度もひっかかったりしたのだが、中には「うん、これはこういうひっかけだろう」ということが分かるものも含まれていて、少しだけ自信を持つことができたりした。
ある高校のクラスには40人の生徒がいます。その中で誰かと誰かの誕生日が一致する確率はどれくらいでしょうか? 直感で答えてください。

ちゃんと計算すると90%くらいという答になるのだが、直感でそんな数字を出せる人はそうそういないだろう。事前にこのネタを知っている人以外には。

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック