「職人技を見て歩く」...ちょっとタイトル負け

こういう本を読んでみた。

職人技を見て歩く―人工心臓、トイレ、万年筆、五重塔… (光文社新書)
光文社
林 光

ユーザレビュー:
人選のセンスはいい人 ...
こんなところに職人が ...
匠の技個人的な感想だ ...

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読みながら思ったのは、「微妙に本のタイトルと中身が違っているぞ」ということ。

職人技を見て歩いているのではなく、「職人に聞いて歩いている」というような中身。
それぞれの章が独立していて、人工心臓なら人工心臓を開発している職人さんへのインタビューと、その背景なり、著者の感想なりが、うまくまとめて書かれている。

のだけれど、肝心な「職人技」に相当する部分がほとんど書かれていないので、少しがっかりだった。
「職人」と「職人技の成果物」についてはしっかり紹介されているのだが、そこでどのような「職人技」が使われているのかについては、ほとんど言及が無いのだ。

ドラマ性のない「プロジェクト X」とでも言うような構成になっている。そこがものすごく残念。

一方で、送電鉄塔やプリンターインクなど、あまりに日常的にありすぎて、あるいはあまりに工業製品的で、どこが職人技なのか、普通の人にはピンと来ないようなテーマが扱われているところは、賞賛ものだ。
送電鉄塔一つとっても、日本の場合は、山岳地帯を通り抜けて電気を送らなければならないし、地震もあれば落雷もある。その一方でコスト面での制約がかかっておりと、「職人技」なしでは成り立たない世界だということを、私自身が改めて知らされた。

うーん、だがしかし、この本一冊だけでは本の構成として物足りない部分があるのは確かだ。
各章をもっと深く掘り下げた読み物か、平成職人百科事典のような総合ガイド的なリファレンスか、そういったもので補いをつけないと、どうも中途半端な印象だけが残ってしまう一冊。ちょっと残念。

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