「ネコ型社員の時代」 経済成長率0%に備えて

会社で先輩とネコ談義をした帰りに、ふと書店さんの店頭でこの本を見かけ、買ってしまった。

ネコ型社員の時代―自己実現幻想を超えて (新潮新書)
新潮社
山本 直人

ユーザレビュー:
ネコはもっと隠れてい ...
あ、あたし、ネコ型社 ...
この本には救われまし ...

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本の帯に描かれていたマイケルが面白くてつい、というのもある。


  • 滅私奉公より、自分を大切にする

  • アクセクするのは嫌だが、やる時はやる

  • 自分のできることは徹底的に腕を磨く

  • 隙あらば遊ぶつもりで暮らしている

  • 大目標よりも毎日の幸せを大切にする


といった特徴を持つネコ型社員。
これは今時の若者を指す言葉ではない。
中高年でもネコ型はいる。
そんなネコ型の社員がどうやって世の中を生きていくべきか、また、ネコ型の社員をどう扱っていくべきか。
要は「ネコ型」というキーワードで世相を切っている本なわけだ。

タイトルや、軽妙な表現とは裏腹に、含意はかなりディープだ。
高度経済成長の時代は終わった。低成長の時代さえ終わり、いまやゼロ成長の時代。
もはや勤勉に働いても右肩上がりの生活は見通せない。
そのような中、日本人はどのようになっていくのか、どのように暮らすのが幸せなのか。

高度成長期は、収入増という分かりやすい目標があった。
バブル崩壊後はそれが失われたため、代わりに「自己実現」などというまやかしの言葉が流行り、収入が少なくても自分が活き活きとできる仕事をしようという風潮が現れた。しかし、実際に自己実現できる人間などそうそういるはずもないことに人々は気付き始めた。
収入増も、自己実現も幻となってしまった今、何を目標に生きていけばいいのか。

「そもそもアクセク働く意味などない」という現実に気付いた人たちはどんどんネコ化していく。
「それでもアクセク働かなくてはいけない」という理想を持った人たちとはギャップが生まれる。
ついでに、「やる時はやるし、やる時の腕もいい」というネコ型の条件を満たさない、偽ネコもいるので話はややこしい。

こういった意識ギャップは組織運営の中で大きな問題になるのだが、そもそもこの問題に気付いていない人がほとんどだという現実。
ネコ型を理解しない人は必死でネコ型の忠誠心を高めようと無駄な努力をして、かえって求心力を失っていく。
ネコ型急増中の今日、これは組織崩壊につながりかねない。
そこで本書はものすごく意味を持ってくる。鋭い一冊。

語り口が軽妙すぎるので単に笑い話で済ませてしまいそうだが、実際のところはかなり重たい一冊だった。

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