時には現代文学論とかも

書いてあること、半分くらいしか分からなかったけど、とりあえず変わった本を読み終えたのでご紹介。





「他人には絶対言えないことを、あなたはどれだけかかえていますか」
といういかにもな書き出しでこの本は始まる。これにつられて買ってしまった。

世の中、いろいろな事件が無事解決していた時代はミステリー小説がもてはやされた。しかし、1990年代あたりから、事件が解決しない時代になると、今度はホラー小説の時代になった。といった論調で、まあ、本格的な文学論らしく、色々な参考文献を紹介しながら、話は戦争論にまで行き着くわけだ。
なるほど、金田一耕助のシリーズはおどろおどろしいけれど、最後に問題が解決するので、あくまでホラーではなくミステリーになるわけだ。そういった文学のジャンル分けの仕方など、今日の今日まで知らなかった。

この本は、解決不可能性、内からの破裂といった言葉を鍵に時代を語る、いかにも文学者向けの内容だ。
「血みどろ」を隠蔽したり見ないふりをしたりするのでなく、それに自ら触れることによってのみ心が解放されるとか何とか。この著者は、時代を真正面から捉えているというのか、発想が極端に偏っているというのか、よく分からない。
いくら奇麗事を言ったところで人間は血みどろの存在なのだから、それを隠そうだとか、目をそらそうとかするのではなく、むしろ自ら進んでそれに触れることで...何のこっちゃ。

文学自体が私にとってはエンターテインメントなので、こう半分くらい分からない議論を続けられても、まゆつば、まゆつばである。
本当に「解決不可能性」の時代になったのか? きっちりと統計を取ってみたら、実は以前のほうが「解決不可能」な事件は多かったのではないか、などと野暮なことを考えてしまう。

それでも、文学者にとって大事なのは統計的な事実よりも、今のこの時代の感覚のほうなのだろう。

ただ漫然と日々を生きていくよりは、こうやって「ホラー」をキーワードに日々の生活を見直してみるのもまた一興かも知れない。
何気ない街の風景が、少しは色を違えて見えてくることだろう。

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