絵の中に音を感じる瞬間

昨日から目の調子が悪くて。とりあえず左目の充血が引いたので、上野の国立西洋美術館に出かけた。
ヴィルヘルム・ハンマースホイ展。一枚目から何だかピントのぼやけているような絵で、いよいよ俺の目はダメかと勘違いしてしまった。いやはやとんでもない。

絵から 5m くらい離れて見たほうが、この人の絵の繊細さはよく分かる。

絵のほとんどがモノクロの間接照明で彩られている。液晶モニタ風に言うと、ちょっと輝度が低い感じ。
しかし、そのわずかな濃淡が実に細やかに描かれており、妙にリアルなのだ。
日本のマンガなら、スクリーントーンを貼り付けて済ませてしまうような、あるいは白いままで放置してしまうような、道路や壁の一面に、間接光のうっすらとした影が微かに描きこまれている。
目を近づけすぎたのではかえって分からないような濃度差で。

そして、ハンマースホイの絵の特徴は何といってもその静かさ。
どういう心理効果なのかよく分からないのだが、とにかく音が感じられないのだ。
何をおかしなことを言ってるのだと思われるかもしれないが、とりあえずは、Google のイメージ検索ででも使って、ハンマースホイの絵を見てほしい。「ハンマースホイ」というカタカナで検索すると関係の無い絵がたくさん出てきてしまうので、
http://images.google.co.jp/images?hl=ja&q=Vilhelm+Hammersh%C3%B8i&lr=&um=1&ie=UTF-8&sa=N&tab=wi
こちらのほうがいい。

今まで色々な西洋画、マンガ、イラストなどを見てきたつもりだが、これほど音の感じられない絵は見たことがない。
むしろ、高名な絵ほど、見えないはずの音を色々な手法で表現してきたことのほうが多かった。
ハンマースホイの絵で音を消されて初めて、「絵には音があった」ということを逆に感じ取らされてしまったという印象だ。

絵から音が出ないのは当たり前として、これほど、音を感じさせない表現とは一体どういうものなのだろうか。
国立西洋美術館の展覧会で「ストランゲーゼ30番地」と題された一連の絵が展示されているコーナーが、まさに圧巻だった。音の感じられない絵が十数枚ほど一面に展示されており、鑑賞していると三半規管までおかしくなりそうだった。

参考サイト(いきなり一面 Flash なので注意)
http://www.shizukanaheya.com/

ある意味、アニメとは対極の絵だ。

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