周回遅れでサブプライム問題を勉強中

アメリカで住宅ローンの貸し倒れが起こっただけなのに、なぜこのような大騒動になるのか、実はよく分かっていなかったので、少し勉強してみた。

サブプライム問題そのもについては、ここで敢えて説明をする必要はないだろう。Wikipedia にも詳しい説明が出ている。
簡単に説明すると、アメリカで住宅バブルが崩壊し、住宅の値上がりを前提にローンを組んでいたたくさんの人たちがそのローンを返済できなくなってしまったという問題である。
狭義の「サブプライム問題」といえば、ここまでの話だ。

それだけのことで、なぜ世界全体の金融がおかしくなるのか。それはもうずばり、それくらい多額の焦げ付きが出てしまったからだ。
サブプライム問題が騒がれ始めてからもう1年以上が経つのだが、実はこの焦げ付きの総額が未だにはっきりしていない。連鎖的にたくさんの金融機関に影響が出てしまったので、そういった派生損失まで含めると100兆円を超えるお金が世界から消えてしまった計算になるというニュースを最近見た覚えがある。
このあたりからが、広義のサブプライム問題の話になる。

金融工学とかいうものによって、アメリカのローン会社は世界中からお金を集めて、それをこのローンにつぎ込んでいたのだ。
このため、問題はアメリカ国内で留まらず、世界中の金融機関が焦げ付きの影響を受けることになった。日本の銀行も含まれる。日本の銀行もアメリカの住宅ローンに間接的に投資していたのだ。その規模については、出典によってあまりに数字が違うのでここでは割愛させてもらうが、今年になってもそれだけ混乱しているということだろう。

もう一つ忘れていけないのが、金融機関を助けるために、各国の金融当局が金融機関に対して多額の低金利融資を行ったこと。そのお金が回り回って原油の値段を吊り上げ、世界的な物価上昇を引き起こしてしまっている。サブプライムと原油高はつながっているのだ。

このあたりの話を、どちらかというと個別事例を中心に解説しているのが、この本。



借金好きというアメリカ人の国民性の説明に始まり、アメリカで犯罪まがいのサブプライムローン貸付が行われたその具体的な手口の紹介、サブプライム問題が世界に飛び火するさまや、執筆時点(昨年)での問題の分析など、著者が、いかにも自分の目で問題を見てきたかのように分かりやすく書き下している。経済学の知識がなくても、この本を読めば問題の概略はつかめるだろう。

そしてもう一冊、どちらかというと統計データを中心に客観的な視点で問題を解説しているのが、この本。

サブプライム問題の正しい考え方 (中公新書 1941)
中央公論新社
倉橋 透


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こちらは多少の下知識がないと、読みづらいかも知れない。
先に紹介した春山氏の本があまりに視点が当事者によりすぎているので、データの統計的裏づけとして、この本は役に立った。ただし、読んでいて二度ほど昼寝をしてしまった。客観的な本というのはあまり面白い読み物ではない。一般の人は春山氏の本だけで十分だろう。
春山氏の本と、こちらの本とで、出版日が半年ほどずれているのだが、たったのそれだけの期間で、世界的な損害額が大きく増えてしまっているのが興味深かった。

で、結局、自分の預金をこれからどうするかについては、どちらの本を読んでも、私には判断がつかないのであった。

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この記事へのコメント

fuji
2008年09月30日 06:18
サブプライムローンの問題は全世界的な問題になっていて、ほんとにその因果関係が分かりにくいものになっています。これが原油高とも関係しているというのは初めて聞きました。(理解はできていません)お金は天下の回りもので、誰かが得をすればだれかが損をしているものだという単純な考えでいました。みんなが損をしたといっているようですが、得をした人はいませんか?建築会社とか?(こちらも需要が落ち込んでつぶれている会社も多いようですね)結局はお金をつぎ込んだものが活用されなくなって価値が落ち込んだから損失が膨らんでいるのでしょうか?他の人が大きな夢を持って建てた家でもそうでない人とっての価値は半減するでしょうから。使われていない家の価値はありませんし。利ザヤが膨らむことを見越した投資家の思惑が外れて投資したものが何の利益も生みださなかったようですが、投資したお金がまるっきり無くなるわけではないでしょうし。投資金の移動がうまくいかなくなったから損失が出ているとしたら、やはり得をしている人たちもいるのでしょうか?お金を返さなくていいとか?
kazuyoshikakihara
2008年09月30日 12:37
サブプライムはまだよくわかりません。
金融安定化法案がアメリカの議会で否決されたようですが、そういった事態になるということはまだ当事者のアメリカでも意見が割れているということなのでしょう。

一時的にでも得をした人の話なら私の読んだ春山氏の本に色々と出てきますよ。
住宅ローン紹介業者(日本にはない職業です)とか、サブプライムローンを取次ぎ手数料稼ぎだけをしていた銀行とか。

でも、経済はあちこちでつながっていますから。社会不安でも起きて襲撃とかされてしまったら、いくらお金を稼いでいても全然得した気分にはなれませんよね。

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