フリーペーパー読みたいか?

出版業界が構造的な不況に陥っている今、編集者がキャリアを活かして転職するには、田舎町にでも引っ込んでフリーペーパーの編集者にでもなるしかないとも言われている。
というわけで、この本を読んで勉強することにした。


フリーペーパーの衝撃 (集英社新書 424B)
集英社
稲垣 太郎

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R25 や Hot Pepper など、国内のフリーペーパーを始め、諸外国の事例など、事細かに分析が加えられており、フリーペーパーのビジネスモデルが、具体的な数字付で理解できる。
あわせて、日本の報道、広告業界の閉鎖性も。

そして、このフリーペーパーというビジネスが、なぜ気に入らないかもよく分かった。
フリーペーパーというのは、先に読者(配布先)を決めて、その読者にとって最も満足度の高い記事を作り、広告を載せるというビジネスモデルだ。読者は予め決まっている。一発勝負で突き抜けた記事を作って読者を増やしてやろうなどという、旧来の発想はご法度だ。
せっかくいい記事を作っても、「たくさんの人に読んでもらおう」と思ってはいけないのだ。予定よりも印刷部数を増やしてはビジネスが成り立たなくなる。

自分で把握できる範囲に読者を限定する代わりに、その読者には最大限の満足を届け、さらに将来も与え続けられるという夢も併せて届ける。それが読者へ対するフリーペーパーの考え方だ。

私などの、古い世代の編集者はこれではどうしても納得できない。私らにすれば、先に「いい本」ありきで、その本の良さを理解してくれる読者に是非読んでもらいたいと考えるものなのだ。
読者にしても、何気なく届けられる、あるいは手に取るフリーペーパーよりも、「書店で求めて出会った本」を読んだときのほうがより大きな満足が得られるはずなのだ。

編集経験者の私としては、フリーペーパーに食われるくらいなら、本をネットで無料で公開する方を選びたいくらいだ。そのほうがきっと、その本を欲しがっている読者のところに「いいコンテンツ」が届くはずだから。
ただ、それでは食っていけないという大問題がある。
「いいコンテンツ」はネットで、「おいしいコンテンツ」はフリーペーパーで、という二刀流を極める必要があるかもしれない。
編集者として今後もやっていきたいのなら。

フリーペーパーも間もなくネットに食われてしまいそうな気がしてしようがないのだが。

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