「ビットの舟」を読み終えて

駆け足ながら「文字の海、ビットの舟」 http://internet.watch.impress.co.jp/www/column/ogata/index.htm を読み終えた。読み終えたといっても、元々がメルマガの記事のバックナンバーだし、起承転結のある読み物というわけではないので、「終えた」と言っていいのかどうかもわからない。

元々は、CSVでデータのやり取りをする際に文字コードを揃える必要があるねという程度で話が済むと思っていたのだが、意外な方向に問題が拡大してしまった。
CSVでのデータ交換に際しての文字コードの話については、別にエントリをたててまとめることにする。

「ビットの舟」で印象に残ったのは、

1.
JISは文字を規定するものであり、字形を規定するものではない(ここでいうJISは、JIS X 0208 やその流れを汲む JIS X 0213のこと。以下同じ)。

2.
しかし現実にはJISは、字形を規定すると思い込んでいる人がたくさんいる。そして、声が大きかったりする。

3.
JISが唯一の文字コード(文字集合)だと思っている人もたくさんいる。そして、声が大きかったりする。

4.
JISには意外と影響力がある。特に改訂される場合には。
改訂論議が終わるとその影響力は忘れ去られる。
改訂論議が一段落すると「ビットの舟」もお休み期間に入る。

5.
単純に字形を増やしすぎると実用に耐えなくなるということに気づかない人がたくさんいる。検索やソートが大変になるだろうに。

6.
もちろん、字形の多い文字集合が必要な分野もある(そのような分野ではJISを使わなければいいというだけの話なのだが...有力なJISの代替がない)。

7.
JISの策定には、いまや、Unicodeとの関係も無視できない。
Unicodeは誕生の際に既存のJISを漏れなく取り込む形になっていた(Unicodeでは、各国の既存の規格は取り込むという前提があった)。
JISがUnicodeに取り込まれた結果、Unicodeのルール内でしかJISは改訂できなくなった。

8.
「ぱ」という文字を表現するのに「ぱ」一文字で表現する方法と「は゜」(ひらがなの「は」に半濁点の「゜」を並べた)と表現する方法がある。Unicodeでは「は」と「゜」を合体させるという表現方法があるので、この2文字は見た目ではまったく同じになる。もちろん、コードは異なる。

9.
世の中にはJISの規格に著作権があると主張する人たちがいる。
この件について、私の見解は以下のとおり。

著作権法によると、「国の機関が発する告示、訓令、通達その他これらに類するもの」には著作権がないのだから、これはおかしい、という議論もあるが、それ以前に、著作物とは「思想又は感情を創作的に表現したもの」と定義されている。
JISの規格は単なる規格であり、「創作的に表現したもの」には該当しない。
もしかしたら、JISの規格を表現した規格書類は、著作物である可能性がある(事実を列記しただけでなく、創造性があれば)。しかしあくまで、JISの規格そのものに著作権はない(JISの解説書には著作権がある)。
日本工業標準調査会の言っていることはおかしい。


このようなところかな...

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