セキュリティはなぜ破られるのか

以前、IPAの「情報セキュリティ読本」を絶賛したことがあったのだが、もっと良い本が見つかった。それがこの「セキュリティはなぜ破られるのか」。内容は極めて平易で一般人向けなのだが、悲しいことに、講談社のブルーバックス・シリーズのため、おそらくはほとんどの人(=読者対象)が書店に行ったとしても、手に取ることすらなかった、あるいはこの本を置いてあるコーナーまで行くことすらなかったものと思われる。この点、まことに残念だ。ブルーバックスは好きなのだが、読者対象とのミスマッチがたまに起こってしまうのだ。
IPAの「情報セキュリティ読本」がどちらかというと個別具体的なセキュリティ対策に終始していたのに比べ、こちらは、情報セキュリティに対する根本的な考え方から説明されているので、基本が身につけやすい。根本的な考え方というと抽象的で分かりにくそうだが、この著者「岡嶋裕司」氏は表現が上手で、図や例えを駆使することにより、内容を視覚的にイメージしながら読み進めることができるので、あっさりと理解することができる。
こういった本を読んで、基本的な考え方を身に着けたうえで、「情報セキュリティ読本」を読むとか、社会的立場によってはもっと本格的な本を読むとかすればいいだろう。
理想を言えば、この本から冗長な例え話を割愛して、もっとコンパクトなリーフレットでにでもして、スポンサーでもつけて無償で配布してくれれば最高だった。

最後に個人的な意見ではあるが、この本に出てくる公開鍵暗号の解説文の中に、「Man In The Middle」攻撃に関する記述がまったくないことだけが不満だった。本書の趣旨に沿って言えば、公開鍵暗号だって完璧なものではないのだし、既に確立された(?)MITM攻撃くらいについては、さらっと紹介くらいしてあってもよかったのでないかと思った。

 

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック