仏像は語る 何のために作られたのか

社会科学やプログラミングの本ばかりではつまらないので、少し趣の違う本も読んでみた。仏教の見地から仏像を語った本や、美術の観点から仏像を語った本はたくさんあるが、この本はそれらとは一線を画し、仏像(というより、工芸品としての像)に関する人間的なエピソードが中心に語られている。だから、読みやすく、面白い。仏像に関してここまで書いてしまっていいのだろうか、熱心な仏教徒さんに怒られたりしないだろうかと、ふと心配になるような一冊でもある。

仏像なんて偶像崇拝の道具だなどと冷めた目で語る人がいる。それがいかに浅はかな考えであることか。敢えてこのような本が書かれたことから分かるように、すべての仏像が真面目な仏教思想から生まれたというわけではない。偶像崇拝以前の問題というか、まあ、背景のようなものを背負って作られた仏像が意外と多く存在するのだ。
仏像に託して、それぞれの時代の人は何を見ようとしたのか、この著者の想像力の素晴らしさに脱帽させられる。
...妙に美少年チックな仏像があったり、妙に艶かしい女性的な仏像があったりするのには、仏教以外の理由があるからだと、著者は言うのだが、そのあたりは本を読んでのお楽しみということにしておくべきだろう。

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