「法令遵守」が日本を滅ぼす

新幹線での移動中に読んだ1冊。そもそも法令を守ることは当たり前なのに、昨今改めて「法令遵守」などという言葉が流行ることがおかしいと思っていたところだった。なので、この本を読むことで、かなりすっきりすることができた。

率直な感想は、「総論賛成各論反対」。
法律というのは、その法律が生まれるための背景というものが必ずあり、そういう背景に対する社会的コンセンサスというものがあるはずだ。例えば、日本という社会では、人のものを盗むのは悪いことだといったような(どこかの国なら、盗まれるほうが悪いという社会的コンセンサスがあるかも知れない)。そして、その社会的なコンセンサスに基づいて法律が作られる。
しかし、日本の場合は、民法はドイツ(あるいはフランス)の法律を元にしていたり、独占禁止法はアメリカの法律を元にしていたりといった具合で、肝心の「社会的なコンセンサス」の部分の議論が無いままに、法律の文言が作られてしまうことがままある。
そのため、その文言だけを「法令遵守」の名の下にいくら守っていたところで、人なり企業なりは社会的な要請に応えることは困難なのだという。
ここまでは、同意する。
しかし、筆者が例として出している談合問題やライブドア事件などの解釈については、私としては異論があるし、現在進行中の事案でもあるので、あまり適切なサンプルとは言えないような印象を受けた。
が、とりあえず、「法令遵守」を考えるにあたっての根本的な問題がコンパクトに読みやすくまとまっているので、良書の類であるといえる。

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック