民芸的プログラミング 〜ソフトウェア開発日記〜

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zoom RSS 人名に由来するソフトウェア 〜 Reiserfs の将来は?

<<   作成日時 : 2008/09/05 08:06   >>

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Hans Reiser という一天才プログラマが開発したソフトウェアに Reiserfs というのがある。Linux 等で使われることのあるファイルシステムの一つで、大量の小さなファイルを高速に扱えるということで評判を得ていた。MySQL データベースのチューニングの事例として、ファイルシステムをこの Reiserfs にしてしまうという手段が挙げられるくらいだった。そして現在、Reiser4 という後継プログラムの開発が進行中であった。
Reiser という自分の名前をソフトウェアにつけてしまうあたり、この人の人柄が微妙に現れているのだろうか。Linux、djbdns など、人名に由来するソフトウェアが世の中にはいくつかあるが、どれも一癖あるリーダーがプロジェクトを引っ張っている。

で、先日、困ったことに、この Hans Reiser が罪を犯してしまい、15年以上の懲役という、かなり重い判決が下ってしまった。それくらいの重大な犯罪であったということだ。

Reiserfs は Reiser の名前こそ使っているものの、現在は完全にオープンソース化されており、誰もが自由にソースを閲覧し、改造することができる。とはいえ、プロジェクトの実質的なリーダーを失うことにより、今後、継続的な進化を期待できるものかどうか、不安が出てきてしまった。後継の Reiser4 は Namesys 社という法人組織で開発が進められていたのだが、この会社も休眠状態のようである。後継の開発どころか、既存のソフトウェアのバグフィックスなどの体制がどうなるかの不安もある。腕に自身のあるプログラマがパッチを個別に開発したところで、下手をすると、同じ趣旨の異なるパッチを別々の人が作ってしまうかもしれず、統一的なプロジェクトの管理ができなくなる恐れがある。

また、Reiser氏が犯罪者となったことにより、ソフトウェアの名前がいささか恥ずかしいものになってしまった感も否めない。今後の Reiser 氏の活動次第では、ドラマチックな歴史を持つソフトウェアとなる可能性も残されている。しかし、現時点ではちょっと後ろめたい名称であると言わざるをえない。

そしてもう一つ、Reiserfs の純粋な技術上の問題点を挙げておく。Reiserfs というか、これは現在開発進行中の Reiser4 に関するものである。ありがちな話ではあるのだが、開発元の Namesys 社のベンチマークテストによると、Reiser4 は看板どおりの性能を発揮しているのだが、第三者のベンチマークテストでは、いささか成績がぱっとしないのである。
http://linuxgazette.net/122/TWDT.html#piszcz
技術者たるもの、Reiserfs を選択肢の一つとして持っておくことは大切であるが、Reiserfs は決して万能のファイルシステムではないということを肝に銘じて、適材適所を常に心がけるべきであるようだ。当たり前のことだが。

最後の問題は技術的なものなので横においておくとして、自分の名前をソフトウェアにつけてしまうという行為に、その開発者の価値観、ビジョンがうっすらと見てとれる。
何の偶然か、つい最近、松下電器が社名をパナソニックに変更した。会社という公器に自分の名前をつけてしまったことが一番の失敗だったと松下幸之助が語っていたというエピソードもあるので、これは本人が一番喜んでいることだろう。
ソフトウェアにせよ会社にせよ、順調に育っていけば、いつかは開発者、創業者の手を離れ、公の存在となっていくものである。
名前は人それぞれにとって大切な物であるが、ソフトウェアの名称に使うときは、慎重になるべきもののようだ。

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